HSK六級物語 其の三 中国語留学+学費


中国語取得の地として選んだ昆明、しかしそこへ辿り着く道は容易ではない。まず上海に飛び上海南駅より列車で昆明へ向かう。所要時間は約四十三時間、ほぼまる二日という計算。中国の列車は等級が分かれており無座<硬座<軟座<硬臥<軟臥の順で値段が高くなっていく。読んで字のごとく席なしの無座、硬い椅子の硬座、柔らかい椅子の軟座、そして三段ベッドの硬臥、個室二段ベッドの軟臥。僕が選んだのは硬臥ベッドの一番上。手を伸ばせば荷物棚に届くためここがVIPベッドと自負しているが値段は三段の中で最も安い。この路線すでに数回乗っているため地元の一畑電鉄のごとく見える景色で大体の位置がわかる。誠不思議な感覚。ちなみに一人旅時ゲストハウスで硬座の昆明―北京切符を持っている外人と話をしたことがある。その時はこやつやるなぁと羨望の眼差しで見ていたが今思えばその外人、硬座の意味を知らなかっただけなのでは、と思う。十数年もたってあれだが彼は無事北京に着いたのかやや心配である。

ともかく昆明駅に到着、ここから徒歩で三十分ばかし行ったところにあるカメリアホテル( 昆明茶花賓館 (発音はチャーホァービングァン)) へ向かう。これから一人旅の時と同様このカメリアホテルドミトリーが僕の城だ。が、実を言うとここ昆明に中国語を学べる学校があるのかないのかすらわかっていない。そのためこれからホテル周辺で聞き込みを開始する必要がある。というかそれぐらい出発前に調べとくべきだろう。自分の事ながらもし学校が見つからなかったらどうするつもりだったのだろうか、。

ホテルのロビーでたむろしているバックパッカー達に学校はないかと手始めに聞いてみる。するとその中に九月から雲南大学へ中国語を習いにいくという一人のイケメン日本人がいた。キムタクに似ていたため男ながらにドキッとしたことを覚えている。九月からというとあと一ヶ月ほど。これは運がいい、今から手続きをすれば十分間に合うじゃないか。が、学費を聞いてめんたまが飛び出た。中国の学校は二学期制で秋学期:九月〜一月中旬と春学期:三月〜七月中旬となっているらしい。僕はちょうどいい時期に運よく来たということだが、そんなばあいじゃない。なんと九月から一月までで授業料6500元+寮費一人部屋12000二人部屋6000元。当時のレートで一元=12.4円あたりで計算すると授業料だけで80600円、安い二人部屋寮費にしたとしても合わせると一学期で20万近く行く。なお値段は大体の感じで書いているため詳細を知りたい場合は大学のホームページなどでご確認ください。僕の全財産は20万なんでご飯代や帰りの飛行機、列車代を入れると完全に予算オーバー、アウトだ。こりゃ留学前に強制帰国か。